リストラ・サラリーマンサバイバル(仮題)

20年以上勤めた会社からリストラを示唆されました。

元上司から突然の電話

3月初旬、年度末で忙しい中、元上司である親会社の管理部長から電話がかかってきた。

「これからそっち行くけど、いるか?」

僕が勤務する会社とその親会社は、電車で一時間ほど離れた場所にある。

忙しい時期だが、断る理由も無いので「良いですよ」と答えた。

「じゃあ、5時くらいにはそちらに着くから」と言って、一方的に電話が切られた。

夕方5時に来るなら飲みにでも誘うつもりなのかと思ったが、新型コロナの緊急事態宣言中なので、それは無いだろう。

当日いきなり電話をしてきて話があるということは、きっとロクなことでは無いだろうと思い、その後の仕事が手につかなかった。

 

そして5時過ぎに元上司が到着したので、予約しておいた会議室に案内して対面した。

普段はズケズケとモノを言う元上司だが、ぎこちなく世間話をし始めた。

こういう時はなにか悪いことを企んでいる...

若干身構えながら話をしていると、元上司が唐突に切り出した。

「ところで、あなた〇〇社(当社の取引先)に行く気無いか?」

「...それはどういうことですか?」

「〇〇社で面接して、良ければそっちに行ってもらおうと」

「...出向ですか?転籍ですか?」

「転籍で...」

 

20年以上勤めた会社で人事部門の経験もある僕は、それがリストラのための面談であるということがすぐに分かった。